僕が目指し続けるモデル

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我々は、常に「モデル」を追い求めていると思います。

スポーツ選手や芸能人、身近にいる尊敬する人など、具体的な人であったり、

優しい人、明るい人、しっかりした人など、抽象的な印象であったり、

「こんな風になれたらいいな」というモデルは、誰しも抱いているはずです。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

こんばんは。

ようこそルートのカウンセリングルームへ。

今日も「契約」の間だけ、貴方のお伴をします。

 

 

さて、今日は「モデル」の話をさせてもらおうかな。

 

 

この秀尽学園の2年生の、高巻さんっているよね。

ブロンドヘアーで、スタイルの良い彼女。

いつも制服の着方について、「公民の牛丸」先生が注意してるけれども、

聞く耳を持たないみたいだね。

まぁ年頃の子たちならしょうがないか。

 

彼女がたしかモデルのお仕事をやっているよね。

以前、雑誌で見かけたことがあるよ。

 

・・・そういえば、以前彼女をどこかのバーで見たことがあるような気もするんだけれど・・・、

そう、たしか「ストレイシープ」っていうバーだったかな。

あの時は、僕はラムコークを飲んでいたな。

その時はものすごく露出度の高い服を着ていたような気もするけど・・・

細かいことは思い出せないや。

 

まぁきっと勘違いだね。彼女はまだ未成年だから。

高校生でバーに入り浸っている生徒なんて、

我が秀尽学園にいるわけもないしね!

 

 

さてさて、本題に戻ろうか。

僕たちは普段、「こんな風になれたらいいなー」というモデルを抱いて生きている。

あこがれって、とても大事なものだと思う。

 

 

 

エネルギーゼロで立ち止まってしまっている人生の真っただ中でも、

あこがれの存在ができるだけで、途端にエネルギーが満ち溢れて、

これまで立ち止まっていたのが嘘のように、走り出すこともできるんだ。

 

 

 

・・・実は、こうして秀尽高校のカウンセリングルームに居させてもらっている僕も、

中学一年生の時に「エネルギーゼロ」を体験した。

 

 

学校に、行けなくなってしまったんだ。

 

 

当時はものすごく苦しかったよ。

周りの人たちが、僕を気遣っていつも通り接してくれるのにもかかわらず、

僕のココロとカラダはいつも通りじゃなかった。

いや、最初はいつも通りで学校にも行けていたんだけれど、

いつの間にか、いつも通りじゃなくなってしまったんだ。

 

そんな自分が、嫌いで嫌いでしょうがなかった。

 

物に八つ当たりをした。

結果的に、それが家族への八つ当たりにもなった。

大好きな家族への。

大好きなおばあちゃんへの。

 

苛立って僕が投げた座布団は、座卓の上の醤油さしのビンに当たって落ちた。

醤油さしは割れて亡くなった。そのかわり、醤油まみれの座布団がそこに生まれた。

 

おばあちゃんは何も言わずにそれを片付けてくれた。

一切文句を言わずに。僕のココロがいつも通りになるのを、待っててくれた。

 

 

あの日から十数年がたった。

 

 

僕のおばあちゃんは、今年2016年の3月、

あの時僕が壊した醤油さしと同じ所へ旅立った。

 

 

いつも笑顔で、優しいおばあちゃんだった。

大学時代、一人暮らしをしていて、実家に電話をしたときは、用件を言わずとも、

「お金に困っているんだね」とか、

「勉強大変なのかい?」とか、

「あー、きっとルートは今恋しているんだね!」とか、

いつも僕が言いたくても言えない悩みを、素直に打ち明けられるように、手伝ってくれた。

 

 

おばあちゃんがいつも僕に教えてくれた言葉は、

「素直になりなさい」という言葉だった。

 

「素直」という言葉の意味が、一番難しく感じたのは、

さっきも話した「醤油さし事件」のときだ。

 

 

「素直になりなさいって、毎回毎回うるさいんだよ!!」

「いつも俺はいい子でいなきゃいけないのかよ!!」

僕が座布団を投げた時、おばあちゃんのココロにも投げてしまった言葉だ。

 

 

今、思うと、ってところなんだけど、

あの時、僕がおばあちゃんにぶつけた感情が「素直」ってことだったんじゃないかって思う。

そして、おばあちゃんが見せてくれた態度も、同時に「素直」ってことだったんじゃないかな。

 

 

今年の2月、

おばあちゃんが旅立つ2週間ほど前。

 

病室に立ち寄った僕に気付いたおばあちゃんは、

管まみれの苦しそうな姿で、全身を震わせながらも、

 

 

「・・・大好きだよ。・・・大事だよ」

と、僕の名前を呼びながら話してくれた。

 

 

舌の水分は完全にといっていいほど乾いて、

話すのも困難だっただろうけど、

 

病室の他の患者さんやその患者さんの処置をする看護師さんには届いていなかっただろうけど、

 

僕の耳にはしっかり届いた。

 

 

 

2016年の2月27日が、僕にとって、

「血まみれの仮面を授かった日」と言えるかもしれないね。

 

 

・・・と、いけない。

 

今日は自分のことを話し過ぎちゃったね。

これじゃあカウンセラー失格だね。

 

 

 

ーまだまだ、「僕のモデル」には敵わないなー

これからも「更生」を続けていく必要があるなぁ・・・

 

 

っと、ごめんごめん。

今日はここまでにしておこう。

 

今日のあなたとの「契約」の時間は終わり。

また次回の「契約」の時間に、足を運んでくださいな。

 

それでは、お気をつけて。

よい日常生活を!

 

 

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参考世界:ペルソナ5

 

 

 

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著者:ルート


不登校の子どもたちの支援者として働いているルートです。中学校1年生の時の不登校体験や大学院時代の休学体験を活かし、同じ悩みをもつ子どもたちの支援者となりました。 メールでお子さんの相談を受けたこともあります。お困りでしたら、何か力になれるかもしれません。

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