サラバ!に学ぶ特別支援教育の目指すべきものと父の愛

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西加奈子さんの『サラバ!』

上下巻読み終わりました。

アメトー―ークの読書芸人でも話題になった本ですね。

 

僕は

特別支援教育の視点から見た貴子

歩の父の愛に見る父の姿

っていうところに注目しました。

 

 

上巻の感想。

「姉はだから、奇行によって注目を集める必要がなくなった」p343

この一行に上巻のクライマックスを感じた。

 

歩の姉の貴子は、今で言うと、

「特別支援が必要な生徒」だったんだと思います。

担任の先生の他に、支援員の先生がついて通常学級に居るか、

あるいは特別支援学級に入るか、といったところですかね。

 

学校では、「困った子」として映ってしまう貴子も、

家庭環境を踏まえて考えると、「困っている子」なんだよなぁ。

 

居場所がどんどん変化する圷家の4人。

違うコミュニティに移ってヨコのつながりも変わるし、自分の成長によってタテ軸も変わっていく。

 

イランやエジプトという異国の地での生活の描写も分かりやすく、世界は広いんだなぁと実感しました。

「当たり前」ってなんだっけ?と思えます。越えてきた経験の数だけ、たくましくなれる気がする。

 

上巻を読み終わったのは6月27日でした。

 

 

 

そして今日7月11日に読み終わった下巻。

 

ちょっとネタバレも含んでしまうかもしれませんが・・・、

本編の終盤があとがきに変わっていく本を初めて読みました。

前情報と、読んでいる感じから、きっとこれは著者の西加奈子さんの実体験も多分に含まれているんだろうなぁと思いました。

 

上下巻で描かれていたテーマは、家族であっても、他人は他人ということかなと。

それぞれの道を歩みなさいということですね。

 

家族っていう関係であっても、ずっと一緒にいることが正解とは限らないっていうことですよね。

僕自身も、小2のときからかれこれ20年以上母子家庭で、「父親って何?」って感じで、父とは触れずに生きてきましたけど、

 

よく「お父さんみたいな感じ」って、包容力があるみたいなことも言われるんですよ。

まぁ、父を感じずに生きてきた自分が「お父さんみたい」っていうのは、不思議なもんだなぁとは思うんですけど。

 

とはいえ、何度か書いているように、

特に父のことを恨んだりとか、そういうのは無いんですよね。

むしろ、「自分が損な役回りをしてまで、父の姿を学ばせてくれてありがとう」っていうふうに思えます。

 

歩のお父さんも、自由奔放な母に振り回されてますけど、

「それでもいい」って思えているのがすごいです。

振り回されてるっていうのも、歩の視点ですしね。

 

 

ちなみに上巻では傍若無人だった貴子も、下巻ではとても落ち着いています。

「学校」っていうのは「社会」の一部分であり、

学校に適応できないからって、社会適応できないとも限らないっていういい例ですよね。

 

社会適応の方が、広い概念なわけですし。

 

 

また、あらゆる時代、コミュニティで、

その時その時仲が良かった人とも、いつか別れるっていうのを、ひしひしと実感しました。

 

あんなに仲が良かったのに、いつしか連絡をとらなくなる。

そういう相手、振り返ると僕にもたくさんいます。

 

でも、ふとしたときに再会したりする。

まるで昨日まで一緒だったかのような再会の仕方もある。

望まない再会の仕方もある。

 

 

連続性を持った自分を知っているのは、実は自分しかいないのかもしれません。

いつでもリセットして再スタートしていいんだよなぁ、と感じました。

 

昨日の自分に「サラバ!」と微笑み、あるいは叫び、明日の自分に向かって歩むのだ。

 

 

 

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著者:ルート


不登校の子どもたちの支援者として働いているルートです。中学校1年生の時の不登校体験や大学院時代の休学体験を活かし、同じ悩みをもつ子どもたちの支援者となりました。 メールでお子さんの相談を受けたこともあります。お困りでしたら、何か力になれるかもしれません。

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