昨今の社会においては、
「社長の言っていることはわかるけど、
でも社長が言うから聞きたくない、その通りにしたくない」
という若手社員がいるようです。
(それがいいか悪いかは別にして)
ということは、学校においても、
「先生が言っていることはわかるけど、
でも先生が言うから聞きたくない、その通りにしたくない」
という子どもも、いるのではないでしょうか。
(ここでも、それがいいか悪いかは別にして、です)
(先生方が子どもたちを理解するために努力されているのは大きくリスペクトしています)
一方で、
「インターネットに書いていたから」
と、誰が言ったのか分からない情報が、彼らの判断基準になることは多くあります。
これは、
人が判断する時のプロセスが、
上下のつながりから左右のつながり、並列のつながりに移行していることを示しているとも考えられます。
現代社会においては、
「上司や先生」よりも、
「インターネットでつながっている価値観が近い人」
の方が、「身近」と感じられ、
また、「信頼」される時代です。
何度も言っていますが、
目の前の人の意見よりもインターネット上の情報を優先すること自体が「悪い」と言いたいのではなくて、
そういう時代になってきているということです。
あなたが、
教育に関わる仕事をしていたり、
社員をまとめて仕事を行っていたりするならば、
僕が話していることはきっと納得していただけるのではないかと思います。
事実、不登校の生徒たちは、
「学校」そのものへの信頼感が揺らいでいる状態にあります。
別に「そういう風にした学校が悪い」と言っているのではなくて、
実際に「そういう状態にある子が多い」と僕が感じているのです。
これらのことから、これからの時代、
「権威」や「権力」で情報や価値観を伝えようとする場合、
上手くいきにくいということが考えられます。
「自分よりも立場の上の人が言う言葉は、絶対聞くものだ」
という考え方をもっている若者や子どもたちは、
これからますます少なくなっていくでしょう。
なぜなら、彼らにとっては、
「目の前の偉そうにしている人の言葉を我慢して聞く」
という選択肢を取らなくても、
「インターネットにつながっている数インチの小窓から少しでも面白い情報を得る」
という選択肢が取れてしまうわけです。
そうなったときに、我々は大人として、教育者として、
どう関わっていけばいいか。
一つは、目の前の相手と
「仲間」という意識で関わるのがいいんじゃないかと。
僕自身、大学時代にのべ300人以上の一時保護児童と関わって来た時に、
一番大事にした考えがこれでした。
今現在、不登校の子どもたちと関わる時にも、
目の前の子どもを「仲間」として、「一人の人間」として、
リスペクトして関わっています。
そうするとまず、子どもたちに信頼してもらえます。
「信頼」があると、言葉はとても通りやすくなります。
相手がどんな立場であろうと、「信頼関係」をまずつくる。
これはどんな世界でも活用できる、「人間関係のちょっとしたコツ」の一つですね。
本日もお読みいただき、ありがとうございました。
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