若林さんと作家さんの対談本『ご本、出しときますね?』でもたくさん出てくる
西加奈子さんの本の感想についてまとめました。
アメトー―ークの読書芸人でもよく特集される作家さんですね。
対談本では、関西のノリがめっちゃおもしろいです。
1.舞台
自分が思っているほど、周りの人は自分を見ていない。
2.サラバ! 上
「姉はだから、奇行によって注目を集める必要がなくなった」p343 この一行に上巻のクライマックスを感じた。居場所がどんどん変化する圷家の4人。違うコミュニティに移ってヨコのつながりも変わるし、自分の成長によってタテ軸も変わっていく。異国の地での生活の描写も分かりやすく、世界は広いんだなぁと実感。「当たり前」ってなんだっけ?と思える。越えてきた経験の数だけ、たくましくなれる気がする。
3.サラバ! 下
本編があとがきに変わりゆく本を初めて読んだ。家族であっても、他人は他人ということだろうか。(それぞれの道を歩みなさいと)その時その時仲が良かった人とも、いつか別れる。あんなに仲が良かったのに、いつしか連絡をとらなくなる。でも、ふとしたときに再会したりする。まるで昨日まで一緒だったかのような再会の仕方もある。望まない再会の仕方もある。連続性を持った自分を知っているのは、実は自分しかいない。いつでもリセットして再スタートしていい。昨日の自分に「サラバ!」と微笑み、あるいは叫び、明日の自分に向かって歩むのだ。
4.i
虚数iは、2乗することで-1になる。数学者は、自分が定義した世界の中で、論を進める。アイは綾子とダニエルのもとに養子として迎えられた。ミナと出会い、ユウと出会い、過ごしていく一方で、名も知らぬ、事件や事故の犠牲者たちの描いた軌跡と、無数にすれ違う。もしかしたら、自分もあちら側にいたのかもしれない、とアイは考える。アイも「なぜ私がこんな思いを」という体験を乗り越えようとする。数学の世界に魅せられたアイ。私を意味する方のIも、自分がここにいると定義することで、存在が確かなものになるんだろうか。
5.おまじない (単行本)
相変わらず絵がすごい。全てのお話を読み終わってから、もう一度各話のモチーフの絵をじっくりと見た。生き辛さが溢れ出している各話。そんな中でも、「孫係」はなんかほのぼのしたお話だったなぁ。役割に徹することで、深まる愛情もあるのかもしれない。
とこんな感じ。また読んだら追加して行きます~。
ちなみに、youtubeで西さんの仕事場でのインタビュー動画がありました。
本がいっぱい。劣化しやすい素材が好きって言えるのもすごい。
そしてプロレス愛。プロレスに関しては、ラジオでオードリー若林さんとも熱く語っていましたね。
よりファンになれそうな動画です。
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