こんにちは。 年間144冊の本を読んでいる、 元不登校生徒、現カウンセラーのルートです。
今回は吹奏楽部が舞台の小説「ハルチカシリーズ」の順番と感想をお伝えします。
1巻 退出ゲーム
見慣れた学校の景色。始まりは何の変鉄もないドア。なんだけど、そこを入ると、いつの間にかとても不思議な空間に行き着く。吹奏楽の演奏を軸にして、化学、美術、演劇、歴史の背景が積み重なって、文字として飛び込んでくる。「共感覚」をテーマにした話が中にあるが、ストーリー全体が「共教養」と言えるのかもしれない。
2巻 初恋ソムリエ
ハルチカシリーズ2作目。話は重めの物もある。表題作の「初恋ソムリエ」は、ある環境ある条件ならという、歴史と化学の知識の下調べがよくされている。あと、うまく言えないんですけど、この小説のシリーズはNHKで昔やってた「中学生日記」とか、「天才てれびくんのドラマパート」を思い浮かべてしまう。なんとなくそんなイメージです。
3巻 空想オルガン
ハルチカシリーズ3作目。シリーズで一番読みやすかった。清水南高校吹奏楽部の主要メンバーが出揃って、今作で出てくる新メンバーはそれ以外の人だから読みやすかったのかも。ナナコもトーノも南風さんもいいキャラ。そして今作もまた、内容は意外とヘビー。みんな抱えているものがあるのね。しかし、吹奏楽部って大変だよね。楽器の搬入とかも自分達でやるんだよね。そうだよね。やっぱり吹奏楽部は体育会系だわ。マンボウさんの「プロは反省する。お前らは後悔する」という台詞が、心に吹き込んできた。
4巻 千年ジュリエット
ハルチカシリーズ4作目。今回は、一冊丸々文化祭。3作目は吹奏楽の大会の話だったけど、そういえばあっちの方が異質なんだな。普段はこんな風に、学園を中心にドタバタ劇を繰り広げてるわけで。今回も個性の強い新キャラたちが登場。そして巻頭の登場人物紹介がありがたい。表題作の「千年ジュリエット」は、真夏の屋台のかき氷のような話だった。いつか溶けてなくなってしまっても、最初からなかったわけではない。限りがあるからこそ、価値が生まれる。千年先の世界でも、きっとそれは変わらない。僕らが確かめることはできないけれど。
5巻 惑星カロン
文庫版の吉田さんの解説にある通り、チカが作中で語った「ずっと同じじゃいられない」というのがテーマになっていると思う第5巻。テクノロジーの進歩で、再現できないものは少なくなっている。とはいえ、AIがバッハやモーツァルトの曲を再現して、心が動かされるのか(もうすでに再現されているのかもしれないが。絵画に関してはAIが再現した事例を聞いたことがある)。無いものを有ることにしておくことの是非は、難しい。見えないものを見れる力を養いたい。人の肩書きも、変わっていくんだろうな。成長に伴って変わらない方が不自然かもね。
番外編 ひとり吹奏楽部
番外編はまだ読んでいないけれど、
読んだら感想をアップしたいと思います。
以上、ハルチカシリーズの順番でした。
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