2018年2月の読書メーター
読んだ本の数:10冊
読んだページ数:2510ページ
ナイス数:205ナイス
1.S&S探偵事務所 最終兵器は女王様
「最強ハッカー・コンビがIT探偵に!?」(帯より)「容赦なきクールビューティーなしのぶと、制御不能の2.5次元美女スモモ」(帯より)が事件を解決していきます。しのぶはペルソナ5(P5)の冴さんのイメージ。スモモは双葉×P4Gのマリー×P3のアイギスって感じかな。キャラは魅力的なんだけど、ストーリーにもっとパンチがあっても良かったかな。サイバーバトル寄りにするか、アクション寄りにするか、もっと極端でも良かった印象。一番成長したのは、一話で助けた透くんだと思う。
2.日本人なら知っておきたい日本文学 ヤマトタケルから兼好まで、人物で読む古典
面白い!今のところ今年ベスト。「古典と言えば作者と作品を丸暗記」というのがみなさんの平均値でしょう。作者さんも最初はそうだったようです。でも、この本で「手軽に古典を学べるコミック新書を作りたい」という想いから、いろいろ調べてまとめられたとのこと。言いたい放題の清少納言や、「アホなふりをしよう」とした紫式部など、「え?なにそれ?もっと知りたい」感が満載です。当時の出来事を、「今に例えるなら」という書き方をしてくれているので、すんなり時代背景が入ってきます。大人の再学習、学生の古典入門におすすめです。
3.がん消滅の罠 完全寛解の謎 (『このミス』大賞シリーズ)
すごいわ。物語自体が、主体性を持って、脳内に浸透してくる。難しいテーマを扱っているのに、難しさが表面に浮き出てこない(紗希の存在が貴重だ)。専門用語に染まった支流の部分は勿論あるが、本流から離れることなく、目的地(とされた地点)にたどり着ける舟(読み手)が大半であろう。最後の一文を読み終えてまもなく、頭の中でエンドロールが流れ始めた。あるいは、指揮者が指揮棒で場内を緊張から緩和へと誘う瞬間にも似ていた。学びの多い物語だった。健康的な毎日を過ごしたい。
4.面白くて眠れなくなる進化論
眼の機能がなくなることは、退化のように思える。けれど、暗闇で生きていて、そもそも眼を使わない生物にとっては、眼に使うエネルギーのリソースを使わないで済むことになる。獲得がプラスで、喪失がマイナスとは限らないということか。例えば不登校に当てはめて考えると、学校に行かないことはマイナスととらえがちだけど、立ち止まってゆっくり考える時間を得たと思えればプラスだ。あとは、捕食者と被捕食者の関係において、「被捕食者が身を隠せること」が、双方の共存につながるのは面白い。何事も、やりすぎはよくないということか。
5.日本人の知らない日本語
凪子先生がとてもキュート。留学生みんなに慕われているんだなぁと感じる。日本人にとっても「そうだったのか」と思える知識がたくさん書かれている。特に敬語に関して、この本はいい学び直しになるかも。また、高校生に古文を教えてて思うのが、まず我々は現代語の品詞を再確認した方がいいなということ。現代日本語がしっかりわからないままでは、古文、ましてや外国語なんて、理解するのが難しいよね。昔から女性たちが言葉の産み出し手だったみたい。女性たちが「かわいくない?」と作った言葉が、意外と定着しているそうな。
6.身の丈にあった勉強法
お笑いコンビ、ロザンの菅さんが書いた本。落語のような軽快なテンポで書かれている。勉強に行き詰まっている人や、勉強する気が起きないって人が読むといい本かな。菅さんは「学校の勉強は、スポーツにおけるストレッチだと考えています」と書かれている。社会に出てから、学校の勉強は使わないんじゃないの?なんで勉強しなければいけないの?と聞かれたら、そう答えるそうだ。社会に出て日本史や数学の内容をそのまま使うわけではない(むしろその発展形がバリバリ使われている)が、考え方のプロセスは社会で役に立つはずとのこと。
7.ブラック・ヴィーナス 投資の女神
二礼茜のキャラが最初から最後まで持っていった。この表紙が必要な作品だと思う。百瀬良太くんも、サポート役としていい掛け合いをしていた。金融版の掟上今日子シリーズ風とも感じた。あちらは銀髪で、こちらは白銀髪だけれども。映像化はしやすそうな印象。「黒女神に憧れて、俺も投資に興味持ったんすよ!いろいろ教えてください!」的な熱血素人キャラがいたら、読み手にも投資の世界観がより伝わったかもしれない。
8.やりたいことがある人は未来食堂に来てください 「始める」「続ける」「伝える」の最適解を導く方法
小林せかいさんの三冊目の著書。二冊目「ただめしを~」に続けて拝読。せかいさんの誠実な人柄が伝わってくる。一生懸命、目の前の人に向き合う姿勢を感じる。せかいさんは、未来食堂での業務内容や、取材を受けるにあたってのマニュアルを作っている。マニュアルがあることで、気持ちを揃えることができる。読んだ方が理解や準備が深まることを文章化している。その姿勢は、不登校生と関わる自分にも参考になる。個別の関わりを大事にするのはもちろんだが、文章での「社会で安心して過ごせる方法の伝授」は、自分がやるべき仕事の一つだと思う。
9. 神の値段
オークションのシーンはとてもスリリングだった。最後の謎解きは、一通り「そうか」と思ったと同時に、佐和子に誰か(唯子?)が憑依してる?とも感じた。美術商の世界を覗けたのは面白かった。オークションで作品が売れても、それがそのまま作者に入るわけではない。周囲でサポートしてるスタッフも、その売り上げから給料をもらうんだなぁ。なるほど。無名さんの壮大さは、一冊分のキャンバスには、はまりきらなかったところもあるかも。もっと知りたいなぁと思いつつ、ミステリアスさが残る方が芸術の価値は高まるのかもしれない。
10.生命の暗号 (サンマーク文庫)
人間は約60兆個の細胞でできている。その細胞の核の中に遺伝子がある。遺伝子には30億文字が書かれており、千ページの本でも千冊分に相当する。その情報は、誰によって書かれたのかわからない。「偉大なる何者か」=サムシンググレートの存在を想定しないわけにはいかないと、村上先生は述べている。宇宙飛行士のシュワイカート氏は、宇宙空間から地球を見たマクロな世界で「生かされている」と感じたようだ。村上先生は、それをミクロな遺伝子の中に見出だした。遺伝子の力を発揮するためにも、プラス思考で生きよう。
ということで、2月は10冊でした。
2月は「このミス」大賞シリーズを3作読みました。
個人的には、
1位.がん消滅の罠 完全寛解の謎
2位.神の値段
3位.ブラックヴィーナス 投資の女神 かな。
2位と3位は僅差です。
二礼茜のキャラは好きだったんだけど、
ストーリーが「ミステリー?」って感じだったので。
1位のがん消滅の罠は面白かった。
物語が脳内に浸透してくる感じで。
唐沢寿明さん主演で映像化もされるみたいですね。
そして2月いちばんのヒットだったのはコレ
『日本人なら知っておきたい日本文学 ヤマトタケルから兼好まで、人物で読む古典』
『数学ガール』シリーズに並んで、
勉強する生徒たちに自腹で配って回りたいシリーズ。
古典に苦手意識を持っているあなた、
参考書を買うよりも絶対こっちの方がおススメですよ。
まぁ順番的に、まずは古典を好きになることが重要だと思うので。
紫式部や清少納言を見る目が変わります。
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